利用者と良好な人間関係を築くことは、介護職が質の高い介護サービスを提供する上で重要なポイントである。そのために、言葉遣いや接遇は特に大切なポイントとなる。
言葉遣い、声のトーン、表情、姿勢など、あらゆるコミュニケーションスキルが、利用者の方々との信頼関係を構築し、安心安全な介護サービスを提供する上で不可欠な要素となる。介護の仕事をするうえでの言葉遣いは、「～ください」や「～いたします」といった敬語が基本である。
馴染み深い利用者の方に対しても、くだけすぎた言葉を使うのは失礼に当たる。親しみを込めるならば、かしこまりすぎた敬語ではなく、「～ですね」など、柔らかさのある敬語を心がけるようにしよう。「お茶を差し上げましょうか」ではなく「お茶を飲みませんか」というように、より自然で親しみやすい表現を選ぶことが大切である。
また、相手の話に真剣に耳を傾け、共感する姿勢を示すことも重要である。うなずいたり相づちを打ったりするだけでなく、相手の目を見て話を聞くことで、相手に安心感を与えられる。さらに、利用者の名前を正確に覚え、呼びかける際には必ず名前をつけて呼びかけることで、尊重の念を示すことができる。
些細なことのようだが、こうした細やかな配慮が利用者との信頼関係を築き、より良い介護サービスにつながるのである。 状況に応じて適切な言葉を選び、敬意を払いながら接することで、利用者の方々は安心して過ごすことができ、介護職として働く者自身のやりがいにもつながっていくのである。 介護の仕事を始める方へのアドバイス＞＞『【令和版】介護業界の現状』